【重心を腕で運ぶために必要な条件とは】

これまでに腕と足で重心を運ぶ、ということと
その際に腕で運んだ方が効率が良い、ということをコラムで書いてきました^^
https://www.facebook.com/photo?fbid=4412627165451311&set=gm.583130789491031

テキストの内容ともやや被るのですがこちらでも詳しく書きますね。

今回はもうちょっと深い話をしていきます。
【腕と重心がどのような関係だと運びやすいのか】ということについてです。

体の重心は人にもよりますが大体「おへそのあたり」にあります。
その重心は頭や、腕や、体、足など、体全体のパーツの総合的な重心です。

ですので今回は「総合重心」と呼ぶことにします。

そして、体を構成する1つ1つのパーツも、当然重さが存在するので重心というものが存在します。ですので、腕にも「腕の重心」が存在するのです。

ではその「腕の重心」がだいたいどの辺りにあるかと言うと、腕を肘を中心として上と下に分けたときに、肘から上・上腕部、肘から下・前腕部で分けることができます。

腕を2つ分けたときにほとんどの方が上腕部の方が太いですよね?前腕部の方が上腕部よりも太いと言う方はほとんどいないと思います。ですから「腕の重心」と言うのは肘より少し上側、上腕部に存在します。

この「腕の重心」と、体全体の「総合重心」の関係がどのようになるのかで、腕で重心を運ぶことが可能になるのかどうか、が決まります。

これは少し考えればすごく当たり前のことなのですが、「腕の重心」が「総合重心」の近くを通るからこそ関与し合える関係になれるのです。「腕の重心」が「総合重心」から離れたところで振られていても腕振りが重心を運ぶのに関与しないというのはここにいるみなさんは想像できると思います。

なので、【いかに「腕の重心」を「総合重心」に近いところで振ることができるのかどうか】というのが腕で重心を運ぶということを行う際に非常にポイントになってきます。

「腕の重心」が「総合重心」に近いような体だったら「腕の重心」を「総合重心」に近いところで振ることは容易ですよね^^

もっと言えば、「腕の重心」が「総合重心」に近い体こそが【速く走るため体】と言えるのではないかなと個人的には思っています。

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<<世界のトップスプリンターに共通する点とは>>

100mのトップスプリンターを見てみるとほとんどの選手に当てはまる大きな共通事項があります。
それは【なで肩】であるということです。

感の良いみなさんならもう気づいているはずです。

なで肩ということは腕が体の胴体に対して、下の方に付いているということになります。
つまり「腕の重心」と「総合重心」が非常に近い位置に来る体なのです。

なので腕を振ったときに「腕の重心」が「総合重心」に対して、関与する割合が高くなるのです。

ただ、例外があります。
それはご存知世界記録保持者のウサイン・ボルト選手。
ボルト選手は、一見そこまで「なで肩」ではないように見えます。

先ほどなで肩で「腕の重心」が「総合重心」に近い体が走りやすい体だと言っておいてなんでや?と感じるかもしれません。

なぜならボルト選手はなで肩ではないのですけど、「腕の重心」と「総合重心」が近い体をしているからです。どういうことかというと、「腕が人より長い」のです。

「腕そのものが、そもそも長い」という生まれつきの腕の長さを持っているのです。
ですから、なで肩でなくても「腕の重心」と「総合重心」が近い位置に来てくれるのです。

速く走る上において、非常に有利な骨格であるということが言えるのです。これはある意味ではずるいです笑

中には単に腕が長く、「腕の重心」が「総合重心」に近いという選手もいますが、多くのトップスプリンターはなで肩で、腕が下がっていて、「腕の重心」と「総合重心」が非常に近い位置にいて、腕で重心を運びやすい骨格を有している、ということが言えるのです。

text by 新垣隆史

 

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